170829_旅先とフィルムの関係
アメリカから帰国して、なかなかブログを更新しなかったのは、現像が上がってきたフィルムのデータに、思ったより「気に入った写真」が無かったからでした。
今まで、proviaをメインに使ってきて、なのでそのままアメリカにもproviaばっかり持っていったんですけど、街中にある建物の色なのか、アメリカの日差しと空気のせいなのか、どうも思ったような色に撮れてないのです。ニューヨークの写真がまだ少しマシで、他のフィルムはちょっと。。4本現像したのになあ。
(ランニングしてる人多かった)
(ショーパンの人多かった。私もアメリカでは履いた。日本では無理)
(お世話になっていた職場の窓から)
proviaというか、ポジフィルムについて少し思うことがあって、もともとコントラストが強く出るフィルムだから、なだらかな色の変化等には(ネガに比べて)弱いなってこと。私がヘタクソなだけだったら申し訳ないのですが、明るいところのグラデ―ションを出そうとすると、暗いところは潰れます。暗い場所のグラデーションを出そうとすると、空は真っ白です。そういう意味で、ラチチュードは狭い。
だから、アメリカの強い日差しのもとでは、晴れた日中とかはポジには辛かったのかなあ。これに対して、ひとつ気に入ってるのは以下の写真。
時間的には夕方なのだけど、コンクリートに落ちた椅子の影がとてもきれいで、このような場合には「影と影じゃないところ」のグラデーションはきれいに出ているのではないかと思いました。
後は国の問題か。。ガチのカメラおたくな父親が
「KodakのKodachromeが無くなったとき、みんなFujiのproviaに飛びついたけど、俺にはproviaでも、Kodachromeよりコントラストがキツいように見えるよ。日本のおだやかな風景にはKodachromeのほうがいいんだよなあ・・・」
と言っていたのでした。ということは、アメリカに撮りに行くならもしかしたら、先日から話題になっているRetrochrome160、320(古いEktachrome)が良かったんじゃないかと思えてきた。
オールドレンズも、欧州レンズは現地の人の肌がきれいに撮れるようにコーティングが発達していくから、日本人の肌には日本のレンズがいい、というウワサを聞いたことがあります(すみません、ウワサばっかりで。確証ある情報とか出典ご存じでしたら教えてください。。)
アナログカメラって奥深いですね。
もう、デジタルでいいじゃんお金かかるし、とか思うには思うんですけど。。世界中で毎日何億の写真(データ)が増えていくこの世界で、私は写真の価値ってなんだろな、って考えてしまうようになりました。デジタルはそれはそれで楽しいですよ。手軽だしすぐ撮れるし消せるしお金かからないし。
で、上述の、もうカメラを持って半世紀になるうちの父が、デジタルが出たときに「そんなのはけしからん、撮って消せるんじゃ一発入魂できない。そんなのは写真じゃない」と言っていて、昔は、頭堅いなあ、便利でいいのに、と思っていたけど、
今じゃ私がその意見に完全に飲まれ、私の写真観は完全に昭和のものになってしまいました。(一方で父親はデジタルライフもそこそこ楽しんでいる模様)
が、ただフィルムがいいんだよって言ってるだけでは、説得力もなにもないので、私はやっぱり、1枚撮るのに時と場所とタイミングを選んでしまうフィルムを使って、何か残せるステキなことを探せるようになって、アナログカメラの面白さをもっと布教したいと思うようになりました。
才能なんてないだろうし、美術はせいぜい3(5段階)、オタクの父だって美的センスは特にないから遺伝も期待できない、
期待値は相当低い私ですが、ポジフィルムへの愛だけを力にして、いろいろ頑張ってみようと思います。
道は遠いぜ(遠い目)